トレチノイン
トレチノインとは
トレチノインとは、ビタミンAの一種で、シミやシワなどの肌トラブルを改善するはたらきがあります。食物から摂取されるビタミンAよりもはるかに効果的に作用します。
トレチノインのはたらき
紫外線などにより過剰に作られたメラニンが、角層にたまってできるシミ。お肌の奥の真皮にあるコラーゲンが減少することで、弾力が失われてできるシワ。これらは、加齢のためお肌のターンオーバーが遅くなることで、できやすくなります。
トレチノインは、お肌のターンオーバーを促進し、角層にたまったメラニンの排出を促す作用があります。また、コラーゲンなどを作る細胞を元気にし、お肌の弾力を高める効果があるので、シミやシワの治療に適しているのです。
トレチノインを使用する際の注意点
- 人によって、肌荒れや赤味が出たり、刺激を感じたりすることがあります。使用に際しては必ず医師から説明を受け、使用法を守るようにしてください。使用中に症状が現れた場合は、すぐにご相談ください。
- 外出の際は、必ず日焼け止めを使用するようにしてください。特に強い紫外線を浴びる可能性のある場合は、日中のトレチノインの使用は控えるようにしてください。
- トレチノインは酸化しやすいため、時間が経つと効果が落ちる傾向にあります。保管方法や使用期限について、必ず医師の指示に従うようにしてください。
- 妊娠中の方、妊娠の可能性がある方、授乳中の方はご使用いただけません。ご注意ください。
ハイドロキノン
ハイドロキノンとは
ハイドロキノンは、いちごやブルーベリー、コーヒーなどに含まれる物質で、皮膚を紫外線などによる損傷から守る作用があります。アメリカでは医薬品として美白効果が認められており、日本においても、シミへの効果に関する論文が多数発表されています。
ハイドロキノンのはたらき
紫外線などの刺激により、メラノサイトという細胞でメラニンが過剰につくられることでできるシミ。メラニンは、体内で合成される非必須アミノ酸のひとつ、チロシンがチロシナーゼによって酸化することで生成されます。
ハイドロキノンには、チロシナーゼをおさえる効果があり、それによりメラニンの生成が抑制されます。また、メラニンが作られる場所であるメラノサイトの活動を弱めるはたらきもあります。
ハイドロキノンを使用する際の注意点
- 赤味が出たり、刺激を感じたりすることがあります。異常を感じた場合はすぐに使用を中止し、来院してください。
- ハイドロキノン使用中に紫外線を浴びると、シミが濃くなることがあります。外出の際は必ず日焼け止めを使用してください。また、特に強い紫外線を浴びる可能性のある場合は、日中のハイドロキノンの使用は避けましょう。
- ハイドロキノンは酸化しやすく、時間が経つと黄色~茶色に変化します。変色した場合は使用をやめるようにしてください。
トレチノイン、ハイドロキノンクリームの使用について
塗り方
- 使用前、刺激の少ない石鹸をよく泡立てて、ゴシゴシこすらないよう優しく洗顔してください。
- 刺激の少ない化粧水で肌を整えてください。
- トレチノインは、シミの部分からはみ出さないように綿棒で薄く塗り、乾かしてください。
- ハイドロキノンは指で、トレチノインを塗った上へ広めに塗ってください。
注意点
- 初めて使用する際は、アレルギーがないか確認してください。トレチノインとハイドロキノンを別々に塗り、24時間以内にかゆみや腫れ、盛り上がりがないかを確認してください。
- 肌に傷やかぶれなど、トラブルがある場合は使用できません。
- トレチノインは、薬に慣れるまでの1ヶ月半ほどは、赤味が出たり、ヒリつき、乾燥、皮むけなどが起こったりする薬ですが、刺激が強すぎで痛みがひどい、しみるなどの場合は使用を中止し、受診してください。
- トレチノインは1ヶ月使用した後、休薬期間を1ヶ月設けてください。
- レーザー治療をした方は、1週間後から使用を開始してください。(かさぶたが取れた後)
- 治療中は、日中必ず日焼け止めを使用してください。
- 肌への刺激をできるだけ避けるため、治療中は低刺激の化粧品を使うようにしましょう。
- トレチノイン、ハイドロキノンクリームは、一般の薬剤に比べて安定性が悪いため、必ず冷蔵庫で保管するようにし、3ヶ月以内に使い切るようにしてください。
- トレチノイン、ハイドロキノンクリームは、医師の診断により処方する薬剤です。自己判断で知人や友人に譲らないようにしてください。